【GTM(Go-To-Market)戦略の教科書 予約開始のお知らせ】
December 11, 2025
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新しい書籍の執筆の機会をいただきました。本書は、RevOpsの教科書に続き、よりその上流プロセスであるGTM戦略に焦点をあて、サイロ化したレベニュー組織が直面する根本課題を解消し、一つのGTM戦略のもとにテクノロジー・データ・オペレーションを統合することを目的とします。
ここ数年、欧米企業では外部環境の変化も伴い、GTM戦略の再構築が急速に進んできました。ZoomInfoは、上場済みの企業でありながら、自社のティッカーを “GTM” へ変更したほどです。多くの企業でマーケティング・セールス・カスタマーサクセスの連携が強化され、ROIやLTVを高めるためにレベニュー組織を抜本的に見直し、GTMモーションも大きく再編されてきました。
一方で日本の現場では、依然として異なるターゲットを異なるGTMモーションで追いかけるレベニュー組織が多く、部門ごとに前提もKPIも異なり、全体としてバラバラに運営されている状況が続いています。その上、テクノロジーはGTMモーションを稼働させるプロセスとは全く異なるところで改修のみが行われ続け、現場には大きな疲労感が生まれています。
そのような変化の中で、共著者である当社COOの廣崎と手分けし、現地でのインタビュー、イベント参加、膨大な文献の調査、海外のコミュニティでの議論などを通じて、GTM戦略を体系的に再構築するワークショップを開発し、クライアント企業様に提供を続けてまいりました。多くのクライアント企業の皆様にフィードバックのご協力をいただきながら、ワークショップを通じて実践と検証を繰り返してきました。本書では、こうした課題を踏まえ、GTM戦略を体系的に再構築するワークショップで実践しているプロセスを提示します。
実際に多くの企業で「部門間の断絶が解消された」「共通言語で戦略を語れるようになった」とご評価をいただき、翔泳社様にもご賛同いただき、本年の5月頃から書籍化に向けて執筆を開始いたしました。このわずかな期間でもAIの発達によりマーケットは大きく変化し、そのたびに内容のアップデートを重ねることになりました。
GTM戦略の再構築ができず、サイロ化した壊れた仕組みの上にどれだけ高度なAIや最新ツールを載せても、それは失敗をスケールさせるだけになってしまうと思います。さらに、AIの進化によって専門スキルが自動化される一方、組織内部には「仕組みを設計・統合する能力」がこれまで以上に求められています。高度なAIを使いこなすためにも、まずGTM戦略という全体設計の基盤を整えることが不可欠であると考えています。
GTM戦略は、単なる部門横断の取り組みではなく、企業の成長モデルそのものを再設計する作業です。本書が、GTM戦略の再構築に取り組む皆様にとって一つの指針となり、持続的な成長を実現するレベニュー組織づくりの一助となれば幸いです。
GTM(Go-To-Market)戦略の教科書 マーケティング・営業・CSを成長エンジンとして完全仕組み化する(MarkeZine BOOKS)
〈目次〉
序章 なぜ今、GTM戦略に取り組むべきなのか?
第1章 バリュークリエイション――顧客価値は何か
1-1 顧客増を正しく定義するために必要なこと
1-2 ICPを選定する
1-3 顧客が抱える課題を徹底的に理解する
1-4 顧客課題のインパクトを見極める
1-5 バリュープロポジションを決める
1-6 GTMプレイブックを作成する
第2章 GTMモーション――価値をどう届けるか
2-1 GTMモーションの正しい設計が必要な理由
2-2 7種類のGTMモーション
2-3 (1)インバウンド主導型
2-4 (2)アウトバウンド主導型
2-5 (3)プロダクト主導型
2-6 (4)パートナーエコシステム主導型
2-7 (5)イベント主導型
2-8 (6)コミュニティ主導型
2-9 (7)カスタマーサクセス主導型
2-10 ABMと購買グループ
2-11 AI主導型
2-12 GTMモーションを選定する方法
2-13 複数のGTMモーションを組み合わせた「ハイブリッド型」
2-14 部門間でSLAを交わす
第3章 GTMテックスタック――価値は正しく届けられているのか
3-1 なぜGTMスタックが重要なのか
3-2 GTMモーションに沿ったプロセスマネジメントを策定する
3-3 GTMモーションに沿った測定モデルを策定する
3-4 RevOpsを構築する
3-5 GTMスタックを常に進化させる体制づくり
3-6 GTM戦略の推進ロードマップ
第4章 GTM戦略を構築する3ステップのまとめ
第5章 GTMリーダーズへのインタビュー



